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The Beatles : Let It Be (1970/Page 2)

The Beatles関連
09 /13 2009
[8 : Let It Be...Naked (2003)]
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1. Get Back
2. Dig A Pony
3. For You Blue
4. The Long And Winding Road
5. Two Of Us
6. I've Got A Feeling
7. One After 909
8. Don't Let Me Down
9. I Me Mine
10. Across The Universe
11. Let It Be

(Additional Disc)
Fly On The Wall
Mixed and produced by Paul Hicks, Guy Massey and Allan Rouse
Mastered by Steve Rooke
Original recording sessions produced by The Beatles and George Martin
Engineered by Glyn Johns
Release : November 11, 2003
 2003年11月11日、映画のDVD化もまだという時に突如『Let It Be... Naked』と題された企画盤アルバムがリリースされました。オフィシャルの宣伝文では「ザ・ビートルズが意図した幻の『レット・イット・ビー』、遂に完成!」「ありのままのサウンド」と謳われ、オーケストラのダビングを省き、ビートルズの演奏に焦点を当ててリミックスされています。ちなみにボーナスCDとして1969年1月の膨大な映画用の音源から会話やリハーサルなどを抜粋し、22分弱にまとめた「Fly On The Wall」が付けられています。

(デジタル技術で曲を再構築)

 新たに編成された制作チームに一任されたこのアルバムは、現存するマルチ・トラック・テープ(8 Track)をデジタル変換後、コンピューター上で細かな編集が行われています。音源のクリーニングのほか、曲によっては複数テイクからベスト・パーツを選び組み合わされています(テンポが違うものもキーを変えずに組み合わせ可能。音楽編集ソフトがあれば素人でも時間と根気があれば作成できます)。かつてジョージ・マーティンが「Please Please Me」「She Loves You」の複数テイクを手作業でテープ編集していた時代があったとはいえ、そのレベルを遥かに超えたものでした。

 収録曲も即興性の高い「Dig It」「Maggie May」はポールの意見で外され、代わりに「Don't Let Me Down」を収録。「The Long And Winding Road」も別テイク(1月31日の演奏)が採用されたりと、各曲で細かな違いが色々と。

 とはいえ『Let It Be』の要素が完全排除されたわけでもなく、「Dig A Pony」「I Me Mine」の曲の長さや一部パートの削除は今回も同じ。『Get Back』『Let It Be』、両者の要素も生かしつつ、同じ素材から別のアルバムが作られ、そして仕上がった音源をポールやリンゴがチェックする…というスタイルが取られています。

 しかし曲自体に巧みな編集が行われたとなると、宣伝キャッチコピーをありのまま受け止めるには語弊が出るわけで、これが発売当時議論の的に。加えて日本初盤は悪名高きCCCDでの発売が火に油を注ぐ結果を招く事に(註 : 日本盤は2010年11月以降、通常のCDで再発売)。大袈裟な例えをすると、ほぼ"すっぴん"なのが『Get Back』、人前に出して恥ずかしくない"化粧"を施したものが『Let It Be』だったとしたら、『Let It Be... Naked』は"美容整形"に置き換えると想像しやすいかも。個人的には(少し気になる部分はあるものの)目くじらを立てる程ではなかったのと、「これはこういうもの」と納得した上で聴いています。

 話は少し逸れますが「複数テイクの組み合わせ」は、現代のハードディクス・レコーディングではそう珍しいものではなく、例えばライヴでマルチ録音可能な機材(またはパソコン)を持ち込む→ステージで新曲を演奏→貯め録りした音源をPro Tools等で楽器別にベスト・パーツを選択→最終的に一枚の"新作アルバム"を作り上げる事も可能で。例えばリズム・トラックをライヴハウスで、あとは別の場所でコツコツ重ねるとか、もし歓声や拍手が入ったらそこだけ消すなり歌い直すなりすればいいわけで。別テイクのテンポを合わせるのも面倒で根気がいるでしょう…でも『Let It Be... Naked』はそれを実践している。そう思うとこのアルバム、「もしビートルズが現代のデジタル機器で新作を作ったら…」をバーチャル体験出来る側面もあるかと。

(CDについて)

日本盤で揃えたい場合 : 2010年以降の再発盤をオススメします。日本盤はブックレットに「Fly On The Wall」の会話部分の翻訳が載っているので、その方がいいかなぁと。ちなみにタワレコのサイト内の「関連商品」の欄、ウィキペディアの「各国での販売形態」の欄で各盤の品番などが記載されていますので、そちらも是非。

2003年日本盤 : "コピーコントロールCD"仕様で、現物確認になりますが品番が「TOCP-67300・01」発売日が「03・11・11」と表記されたものが2003年盤で、プレーヤーに影響が出る可能性があるのでなるべく避けたほうが無難かなぁと。他には帯にコピーコントロールCDの説明が書いてあるのも確認ポイントの一つ。
(主な配信版)

iTunes/Apple Music ◉ mora ◉ Line Music ◉ Spotify
(資料)
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● リリース当時に作成された宣伝用フライヤーの内側(表側はアルバム・ジャケットと同じ)。縮小して載せたので何が書いてあるのやらですが…(汗)。ここの飾りというか資料の一つってことで。

YouTubeより : こちらは海外ファン投稿によるアナログ盤の開封動画。こちらはこういうデザインになっていますってことで。あ、『Fly On The Wall』はCDには無いジャケットがあるのかぁなるほど。
(関連出版物)

 アルバム発売に合わせて雑誌で特集記事や別冊がリリースされています。内容もそれぞれいろいろ(一部執筆者に被りあり)で、主なものをリストアップしてみます。

『レコード・コレクターズ』(2003年12月号)

● 「"ゲット・バック・セッション"と『レット・イット・ビー』の一部始終を振り返る ● 「私はこう聴いた」 ● ワイルドな演奏で4人をもり立てたビリー・プレストン ● 音源ソースを徹底検証 ● フィル・スペクター ● グリン・ジョンズ etc...

『ストレンジ・デイズ』(2004年1月号 No.52)

● 解説 ● 関連アルバム ● プロデューサー・インタビュー ● ザ・ビートルズ〜そのほかのリリース etc.

『THE DIG Special Issue THE BEATLES "LET IT BE" & LET IT BE... NAKED"』(2003年12月発行/MOOK)

● JACKET GALLERY ● 基本データ ● 『ネイキッド』の聴き方をさぐる ● マーク・ルウィソーン『レット・イット・ビー』レコーディングの記録』 ● 全曲徹底解説 ● 『レット・イット・ビー...ネイキッド』をレビューする! ● プロデューサー・インタビュー ● アンケート etc...

(2003年作成の記事を再構成/分割 : 2021年1月11日)
→🔴『Let It Be』(Page 1)
→🔴『Let It Be』(Page 2)
→🔴『Let It Be』(Page 3)
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kazuya

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