YouTubeにて、リズムゲームのプレイ動画が「“偽の楽曲”の著作権侵害」でBANされる事態相次ぐ。人気曲「Daisuke」なども被害に

本物の楽曲のプレイ動画が、“偽物の楽曲”の権利を侵害しているとして公開停止されている状況にある。

Apple MusicやSpotifyといった音楽配信サービス上で、音楽リズムゲームの楽曲をそのまま、あるいは少しアレンジを加えたうえで、権利者とは無関係の人物が別の楽曲として販売していることが物議を醸している。そしてそれが原因となりYouTubeでのゲームプレイ動画が「著作権侵害」としてブロックされる事例がSNSなどで報告されている。つまり“偽物の楽曲”の権利を侵害しているとして本物の楽曲のプレイ動画が公開停止されている状況であり、ユーザーからは不満の声が上がっている。

この問題は、1月上旬ごろから「Dazzlin’ Darlin」という楽曲を含む動画が、YouTubeで著作権を侵害したコンテンツとしてブロックされたという報告が多数上がったことをきっかけに波紋を広げている。同楽曲は2007年にアーケードで稼働したコナミの音楽ゲーム『beatmania IIDX 15 DJ TROOPERS』に初収録され、その後『DanceDanceRevolution』等にも収録されている。同楽曲のアーティスト名義は、「Ryu☆」の名義で知られる作曲家の中原龍太郎氏と、ダンサーのDai氏、VJのHalka氏の3名によるユニット「HHH」となっている。

しかし、YouTubeで著作権侵害の判定を受けたユーザーの報告では、いずれも「Dazzlin’ Darlin」ではなく、「Seraphiac」というユーザーの「MORE & MORE」という楽曲の権利を侵害したことになっていたという。このユーザーは、昨年12月12日にApple MusicやSpotifyで「MORE & MORE」というタイトルの楽曲を配信。同日、YouTube Musicを通して自動生成された動画が投稿されていた。同楽曲は「Dazzlin’ Darlin」の再生スピードをわずかに変え、原曲にはなかったラップを楽曲の一部に被せて追加することで、オリジナルの楽曲として販売されている模様。それだけでなく、「MORE & MORE – Nightcore」「MORE & MORE – Daycore」というアレンジ版も作成。「Dazzlin’ Darlin」を使用した計3曲の楽曲が公開され、有料で販売されていた。

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これにより、YouTube上で違反を判定するシステムが「Dazzlin’ Darlin」のプレイ動画が同楽曲の権利を侵害していると誤認したからか、ブロックされる事例が相次いでいるようだ。早いものでは、「MORE & MORE」が配信された3日後の12月15日には、すでに韓国プレイヤーの動画が著作権侵害の判定を受けていたという。

1月20日現在、すでにYouTubeで「MORE & MORE」は視聴不可になり、その他音楽配信サービスでも販売が停止されている。だが、今回のような事例は氷山の一角でしかない可能性がある。今回の事例が話題になったことを皮切りに、SNS上では同じようにYouTubeで特定の曲を使用したプレイ動画が本来の権利者とは無関係な楽曲投稿者の著作権侵害でブロックされた事例も見受けられる。

報告の複数上がっているもののひとつが2008年に稼働した『beatmania IIDX 16 EMPRESS』等に収録されているkors k氏の楽曲「smooooch・∀・」。こちらは「KZ-ORIX」というユーザーが公開した「Hysteria」という曲が、「smooooch・∀・」をそのまま投稿したとみられる内容であることが確認されている。同楽曲は昨年の12月23日にApple Musicで配信され、同日にYouTube Musicでも公開。「Dazzlin’ Darlin」と同じく、すでに「smooooch・∀・」のプレイ動画がYouTubeからの違反報告を受けた報告が複数見られ、『beatmania IIDX』シリーズのほか、同楽曲が楽曲パックのBGMとして登場している『ボンバーガール』で違反になった事例もあるという。

このほか、2004年の『beatmania IIDX 10th style』等複数の音楽ゲームに収録されているDJユニットY & Co.の楽曲「Daisuke」も同様の被害に見舞われている。「Carusio Daisuk」というユーザーの投稿した楽曲「One Love」は、ラップの途中から不自然に「Daisuke」に酷似した曲が始まるという奇妙な楽曲となっている。同楽曲は昨年12月31日にYouTube Musicなどを通して投稿されており、同様にプレイ動画が違反を受けたという声が聞かれている。

こうした楽曲の投稿は昨年12月から目立ってきているようで、今後他のゲーム音楽でも同様の事例が発生する恐れはあるだろう。今回報告されている事例では、YouTubeのアルゴリズムによって同一楽曲であると判断されたのか、無断使用者が著作権侵害の申し立てをおこなっているのかは不明だ。いずれにせよ、そうした“巻き添え”が発生していることを抜きにしても、楽曲をそのまま無断で流用してオリジナル曲として販売することは違法行為といえる。本稿執筆時点では配信停止されていない楽曲もあり、各プラットフォームでの取り締まりが期待される。

なお今回の事例で公開停止を受けたユーザーの中には、違反の報告を受けてもYouTubeに異議申し立てをすることですぐに再公開できたという声もある。もし自分の動画が違反報告を受けた場合は権利者名を確認し、そのユーザーがこうした楽曲を投稿していないか確認しつつ異議申し立ての中で報告するのもいいだろう。

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Hiroyuki Furukawa
Hiroyuki Furukawa
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